【内容】
1.格付けとは
銀行の格付けはどのように決定されるのでしょうか。基本になるのは企業から提出を受けた2期あるいは3期分の決算書です。決算書とは貸借対照表と損益計算書及び株主資本等変動計算書などをいいます。これらの資料から格付けを算出することを「定量分析」といい、経営者などとの面談により導き出す数値を「定性分析」といいます。 定性分析では経営者の性格・経営方針・業歴・営業基盤・技術競争力などを評価します。原則として格付けは定量分析により決定し、必要がある場合に限り、格付けを修正するために定性分析を行います。
2.定量分析の内容
定量分析にはどのような財務指標を使うのでしょうか。金融機関により多少は異なりますが、地方銀行モデルによりその一部を紹介します。
①安全性指標
・流動比率=流動資産÷流動負債(理想は200%、日本企業の平均約13 0%台)1年以内に返済すべき負債に対し、1年以内に現金化され負債の返済に充てることが可能な資産の比率
・自己資本利益率=税引き前利益÷自己資本(高い方が良いが高すぎる場合は過小資本)投下した資本に対する利益の状況
②収益性指標
・売上高経常利益率=経常利益÷売上高(本業で上げた利益でできれば10%以上) 売上高に対する経常利益の割合
・総資本経常利益率=経常利益÷総資本(少なくとも市場金利を確保する)すべての投下資本に対する経常利益の割合
③成長性指標
・対前年売上増加率=今年度の売上高÷前年度の売上高(低成長時は厳しい数字) 売上高の伸び率
・経常利益増加率=今年度の経常利益÷前年度の経常利益 経常利益の伸び率
④債務償還能力
・債務償還年数=有利子負債÷(営業利益+減価償却費)(重要指標の1つ) 1年間で得られる現金(キャッシュフロー)で有利子負債を何年で返済
できるかというもの
3.融資の判断について
格付けの結果は、その数値化された点数によって、企業のランク付けがおこなわれます。点数が高いほど上位にランクされ、融資には有利に作用します。 また、点数によって次のように分類され、融資可否の基準にされています。 原則として破綻懸念先以下には融資を受けらませんが、要注意先であっても増額や継続に関しては「貸し渋り」や「貸し剥がし」といわれる厳しい現実が発生しています。

4.中小企業の対応策
それぞれの指標の検討は、
①同じ業種や規模の他社との比較でどうか
②前期及び前々期に比べて良くなっているのかそれとも悪くなっているのか
③悪くなっているとすれば原因は何か、一時的なものか構造的なものか、
など、問題点を正しく把握し、どのような対策を打つのかなどについて十分な検討をしてそれを必ず実行しなければなりません。決して問題を先送りせず、悪い兆候は傷の浅いうちに手を打つことが肝要です。
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