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【POINT】
利益があるのに現金が不足する理由は
1. 売掛金などの売上債権が多いこと
2. 設備投資などが過剰で減価償却費が多いこと
3.. 本業以外への投資が多いこと
4. 借入金の支払利息が多いこと
などです。ここでは、売掛金のみについて詳述します。
【プロフイール】
清水 一都(シミズ カズト) ITTO経営コンサルタント 代表
某建設会社にて土木工事施工管理、技術営業及びエンジニアリング業務を担当。独立後は、土木・建設関連講習会の講師を務める傍ら東京都中小企業再生支援協議会委員として建設業企業の再生に尽力。技術士、中小企業診断士、1級建築士、環境カウンセラーなど多種多様の資格を有す
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【内容】
1.現金の動き、利益の動き
下表に示した3つのケースは、いずれも売上高1,000万円で利益が200万円です。この売上高を上げるためには、原価となる材料仕入や外注費、労務費、経費などが800万円かかっており、これらの運営資金を自己資金や借入金でまかなう必要があります。 ケースAは、利益の200万円が現金回収ですので直ちに次の売り上げのための原価にまわすことができます。ケースBは売掛金を回収するまでそれができません。ケースCはそれどころか、さらに200万円のあらたな借入等による資金調達を行う必要があります。

売上金が現金で入ってくるとは限らず、手形の場合は現金化されるのが何か月も先になり、すぐに現金が必要な場合は割り引いたりすることにより実質的利益は低下することになります。「うちは一切掛け売りはやらない」という主義の経営者もいらっしゃるでしょうが、この売掛金や受取手形は業種、業態によってはある程度致し方ないものであるとも言えます。ただし、売掛金の回収ができないうちに相手企業が倒産したり、受取手形が不渡りとなったりして、売上債権が一瞬にして不良債権となる危険性もあるので、できる限り現金取引が好ましいのは言うまでもありません。
2.資金繰りを楽にするための
売掛金などの売上債権増加が慢性化した企業は、いわゆる「儲かっているが金がない企業」ということになります。一般的な資金調達は以下のようなものがあります。
①売掛金をできるだけ早期に回収すること
②借入を行える金融機関とのコネを築いておくこと
③材料仕入れや外注に関する買掛金を増やすこと(実務では難しい)
④得意先との交渉により前受金や中間払いを増やすこと
上記のうち①と②は当たり前なので特に説明は省きます。③は売掛金の多い会社はできるだけ買掛金も多くした方がよいということです。④は受注企業には重要で、受注品引渡しまでの間の多額の資金を調達するためにも重要です。②〜④はいわゆる借金(債務)であり、いつかは清算すべきものなので、あまり多くなることは好ましくありませんが、資金繰りという観点からは、利益以上の重要性を持つと言えましょう。
3.応用例
下表に示したケースD、Eは、いずれも利益が200万円ですが、ケースEはさらに買掛金の200万円を一時的に運転資金に回すことができます。ケースFは利益がゼロですが、買掛金が200万円あるために、一時的な資金繰りという意味では、ケースDと同様の余裕があることになります。

4.中小企業で心がけること
もっとも理想的なのは、すべて自己資金でまかなえるだけの体質を持つことですが、事業規模が増大するとそういうわけにもいかないでしょう。 赤字でも企業はすぐには潰れませんが、資金がショートすれば即刻アウトです。収益と資金繰りの両面から企業の財務状況を把握するように努めてください。
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